先ずは、どのような時にイライラや怒りを感じるのかを把握して、自分を客観視してみることが大切です。
そしてそれを否定せず、素直に受け入れることで、相手に対しても自分の想いや考えを、感情に任せず、その場面に応じた適切な表現で伝えられるようになります。

イライラや怒りは価値観の違いから生まれることが大半です。価値観が多様化する現代では、少しのことでもイライラを感じやすくなってます。
自分が持っている価値観が絶対ではないと理解することで、物事を柔軟に考えられたり他人に寛容になったりもします。価値観の違いを受け止めやすくなることで、対人関係のストレスが減少します。

アンガーマネジメント協会では、怒りのタイプを6つに分けています。
怒りのタイプによって怒りを感じるタイミングは異なります。
自分がどんなことやどのようなタイミングでイライラや怒りを感じるのかを把握することで、具体的に何をどうコントロールすることが効果的なのかが見えてきます。
イライラを減らすコツやトラブルや問題の原因を見つけるきっかけにもなります。
また、自分の周りの方のタイプも把握しておくことで、よりよい人間関係づくりに役立ちます。

職場の心理的安全性が保たれていないと、言わない・聞かないようにしようと思ってしまい、職場の生産性が低下します。
アンガーマネジメントを身に付けることで、円滑なコミュニケーションによって人間関係が良好になり、心理的安全性の高い職場になります。
自分とは異なる価値観も受け入れることもでき、チーム内や全体的な生産性の向上にもつながります。

改正労働施策総合推進法（通称：パワハラ防止法）が成立し、大企業では2020年6月、中小企業では2022年4月から施行されました。
人の感情の中でも「怒り」は、適切に管理しなければ、ハラスメント行為につながります。自分が相手に期待しているものは、自分の理想であり、絶対的なものではないことを理解し、相手の価値観を受け入れることが大切です。アンガーマネジメントを身に付けることで、自身の感情の癖を理解することで適切な指導ができ、パワハラを防ぐことができます。